ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍の大きな原因となるため、感染がわかった場合は除菌治療を行うことが推奨されます。ここでは、実際の治療の流れや注意点をわかりやすくご説明します。
保険診療で除菌治療をうけられる条件
日本では、次のような場合に保険診療で除菌治療を行うことができます。
・胃潰瘍まはた十二指腸潰瘍があり、ピロリ菌感染が確認された場合
・胃カメラで「慢性胃炎(萎縮性胃炎)」と診断され、ピロリ菌感染が確認された場合
→健診などで血液や尿で「ピロリ菌陽性」と出ても、すぐに除菌治療はできません。保険で除菌を行うためには、必ず胃カメラで萎縮性胃炎などの診断をうける必要があります。
除菌治療の方法
【1次除菌】
1週間、3種類の薬を服用します。
・ボノプラザン(タケキャブ)、アモキシシリン(サワシリン)、クラリスロマイシン(クラリス)
これらを1日2回、7日間 内服します。成功率は約80~90%と報告されています。
【2次除菌】
1次除菌がうまくいかなかった場合で行います。抗生剤を1種類変更して再度、1週間内服します。
・ボノプラザン(タケキャブ)、アモキシシリン(サワシリン)、メトロニダゾール(フラジール)
2次除菌まで行うと、最終的に約95%以上の方で除菌に成功します。
治療中の注意点
・薬を忘れずに1週間飲み切ることがとれも大切です。
・飲酒は控えめにしましょう
・一時的に下痢・味覚の変化・腹部の張りなどが出ることがありますが、多くは軽度です。
除菌できたかどうかの確認
治療終了後に4週間以上あけて、ピロリ菌が本当に消えたどうか確認します。
・尿素呼気試験(呼気検査)
・便中抗原検査
※血液や尿の抗体検査は「過去の感染」でも陽性になるため、除菌判定には使用しません。
除菌後も胃カメラが大切
除菌が成功すると胃がんのリスクは大幅に下がりますが、ゼロにはなりません。
特に粘膜の萎縮が進んでいる方は、除菌後も定期的な胃カメラ(1~2年ごと)の経過観察が推奨されます。
しもの内科・内視鏡クリニック
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