ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に長く住みつく細菌です。近年の研究により、ピロリ菌は胃がんの最大の危険因子であることがわかっています。
なぜピロリ菌が胃がんにつながるの?
ピロリ菌が胃の中にいると、胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こすことがわかっています。
炎症が持続すると次のような変化が起こり、最終的に胃がんの発生につながるとされています。
①慢性胃炎、②萎縮性胃炎、③腸上皮仮性、④胃がんの発生
このように、ピロリ菌は「胃がんまでの道のり」を作りだす存在なのです。
胃がんのリスクはどれくらい?
ピロリ菌に感染していない人に比べて、感染している人は胃がんのリスクが数倍から十数倍高いと言われています。
日本では胃がん患者さんのほとんどがピロリ菌に感染していることも明らかになっています。
除菌すれば安心?
ピロリ菌を除菌することで胃がんのリスクは大幅に下がりますが、完全にゼロにすることはできません。
ピロリ菌を除菌後も胃の粘膜にすでに炎症や萎縮が進んでいる方や家族に胃がんになった方がいる方、40歳以上で長年ピロリ菌に感染していた可能性がある方は定期的な胃カメラが推奨されます。
まとめ
ピロリ菌は胃がんのおおきな原因であり、感染が確認された場合は早めに除菌することが大切です。ただし、除菌後も定期的に胃カメラで確認することで胃の健康を長く守ることができます。
次回は「ピロリ菌の検査方法」について説明したいと思います。
しもの内科・内視鏡クリニック
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